演色性
ドライブをしているときに、トンネルの中に入ると、「あれ?今まで見ていたものと色が違う?」と思ったことはありませんか?これは、トンネルの照明に使われている「低圧ナトリウムランプ」(ランプ効率は極めて高い。)の光源が殆ど色を識別することができない性質を持っているためです。このように、同じ色のもの(対象物)でも、照らす光が変わることによって見え方が変わってしまうことがあります。このような色の見え方に及ぼす光源の性質を「演色性」といいます。
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演色評価数
演色性は一般的には普段から人々がよく見慣れている「自然光」のようなものを基準にして「良い」・「悪い」と要っています。
現在、基準として、JIS(日本工業規格)に定められているのは図1の分光分布の光です。「演色評価数」とは、図2に示した試験色を使い、 1.試料光源(製品のランプ)で照らす 2.基準光で照らす 1と2の色ずれの大きさを数値する。
基準光で見たものを「100」とし、色ずれが大きくなるに従って数値は小さくなります。すなわち、演色性の良いランプは、演色評価数の数値が大きく、演色性の劣るランプは数値が小さくなります。
但し、演色評価数はその基準光とランプとの色ずれが好ましい方向にあるかどうか関係なく「数値化」されていますので、実際には演色評価数の数値が低くても好ましい色に見える場合もあります。
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【図1】演色評価数の試験の為の基準光源の波長など
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【図2】基準光源と試料(製品)で、これらの色の見え方を比較する
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演色性と用途
色の検査や美術館など、色を重視するところには演色性の高いランプが必要なように、演色性の違いにより、使用に適した場所も異なります。
演色性に関して、CIE(国際照明委員会)では、推奨する基準を以下のように定めております。目的や用途に応じてこの表のようにランプをお選びいただくと良いでしょう。
演色性の グループ |
平均演色評価数 の範囲 |
用いられる場所 |
好ましい |
許容できる |
1A |
Ra90 |
色比較、監査、臨床検査、美術館 |
- |
1B |
90Ra80 |
住宅、ホテル、レストラン、店舗・オフィス、学校、病院 |
- |
印刷、塗料、繊維及び精密作業の工業 |
- |
2 |
80Ra60 |
一般作業の工場 |
オフィス、学校 |
3 |
60Ra40 |
粗い作業の工場、トンネル |
一般作業の工場 |
4 |
40Ra20 |
トンネル、道路 |
演色性がそれほど重要でない工場など |
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